M-aid web版 Vol.59
令和6年1月から大幅な制度拡充となったNISAとはどんな制度?
NISAの拡充・恒久化
NISA(ニーサ)とは、少額投資非課税制度のことです。
上場株式や公募株式投資信託の配当金と売却益には通常税金がかかりますが、NISA口座を開設し、その口座で上場株式や公募株式投資信託を購入すると、配当金と売却益にかかる税金が非課税となります。
家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげる為、今回NISAの抜本的拡充が図られるとともに、制度が恒久化されました。新たな制度は令和6年1月から適用されています。
令和5年12月31日までの旧NISA
ジュニアNISA
ジュニアNISAは、未成年向けNISAのことで、令和5年12月31日で買付が終了しています。非課税保有期間が終了した商品は、原則として18歳に達するまで非課税期間の延長として自動的に継続管理勘定へ移管されています。
令和6年1月1日以降の新NISA
(1)制度の恒久化
若年期から高齢期に至るまで、長期・積立・分散投資による継続的な資産形成を行えるよう、非課税保有期間は無制限とされました。また、口座を開設できる期間についても期限を設けず、NISAは恒久的な制度となります。
(2)年間投資上限額の拡充
資金に余裕がある時に集中的な投資を行えるよう、年間の投資上限額が拡充されました。具体的には、一定の投資信託を対象とする長期・積立・分散投資の枠であるつみたて投資枠と、上場株式への投資が可能な成長投資枠の2つの枠組みが用意され、それぞれの投資上限額は、下記の通りとされました。
(3)生涯非課税限度額の設定
高所得者層への際限のない優遇とならないよう、生涯にわたる非課税限度額として1800万円が設定されました。そのうち、成長投資枠の限度額は1200万円です。
留意点
①改正前のつみたてNISA及び一般NISAについては、令和5年12月31日で買付が終了されましたが、非課税口座内にある商品については、改正後NISAの非課税限度額の外枠で、現行の取扱いが継続されています(改正前NISAを利用している者が新NISAを利用した場合、新NISAだけを利用する者よりも非課税限度額が多くなります。)
②改正後のNISA制度の生涯非課税限度額は取得対価の額の合計で判定するので、口座内で商品を売却した場合には非課税限度額を再利用することができます。