M-aid web版 Vol.25
平成23年度における税制改正について
今回平成23年度税制改正について、重要なものをピックアップしました。
適用時期が延長になるもの、新たに創設された制度など様々ですが、重要な事項が多くありますので、ご参考にしていただければと思います。
「23年6月改正」
法人税関連
中小法人等の軽減税率の特例の延長
中小法人等の各事業年度の所得の金額のうち800万円以下の金額に対する軽減税率(18%)の特例が1年間延長されます。
【適用時期】 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に終了する事業年度に適用
雇用者の数が増加した場合の特別税額控除制度の創設(法人税・所得税)
事業年度末に雇用保険一般被保険者の数が前事業年度末の10%以上、かつ、5人以上(中小企業者等は2人以上)増加した等の要件を満たす法人について、増加1人当たり20万円の税額控除ができる制度が創設されます。
【適用時期】 (法人税)平成23年4月1日以後開始する事業年度から適用
(所得税)平成24年分以後に適用
消費税関連
消費税の事業者免税点制度の改正
個人事業者のその年又は法人のその事業年度につき現行制度において事業者免税点制度の適用を受ける事業者のうち、一定の期間の課税売上高が1,000万円を超える事業者については、事業者免税点制度を適用しないこととされます。
【適用時期】 平成25年1月1日以後に開始する個人事業者のその年又は法人のその事業年度に適用
課税売上割合が95%以上の場合に課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除する制度の改正
課税売上割合が95%以上の場合に課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除できる消費税の制度については、その課税期間の課税売上高が5億円以下の事業者に限り適用することとされます。
【適用時期】 平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用
「23年12月改正」
法人税関連
法人税率の引下げ(30%→25.5%,軽減22%→19%)
【適用時期】 平成24年4月1日以後開始事業年度から 適用
減価償却制度の見直し(250%定率法から200%定率法への変更)
【適用時期】 平成24年4月1日以後取得する減価償却資産から適用
欠損金の繰越控除制度等の見直し
貸倒引当金制度の見直し
一般の寄附金の損金算入限度額の引下げ
【適用時期】 平成24年4月1日以後開始事業年度から適用
租税特別措置法
中小企業者の法人税率の特例(軽減税率18%→15%)
【適用時期】 平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度
(適用期限の到来で廃止)
エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却等
事業基盤強化設備等を取得した場合の特別償却等
事業革新設備等の特別償却
岩石採取場等に係る特定災害防止準備金
商工組合等の特別控除等
【廃止時期】 平成24年3月31日で廃止
平成23年度改正の結果表
● 国税通則法(納税環境整備)
内容 |
成立したもの◎ 先送りしたもの× |
改正時期等 | |
「納税者権利憲章」の策定・公表、国税通則法の題名変更 | × | 検討課題 | |
税務調査の事前通知・調査終了時の手続きの明確化・法制化 | ◎ | 平成23年12月改正 | |
“書面”による税務調査の事前通知等法制化 | × | 検討課題 | |
更正の請求期間の延長、増額更正期間の延長 | ◎ | 平成23年12月改正 | |
「当初申告要件」,「控除額の制限」がある措置の見直し(所得税法,法人税法,相続税法,租税特別措置法等) | ◎ | 平成23年12月改正 | |
「確定申告を行った所得300万円超の白色申告者」以外の者の記帳・記録保存の義務付け | ◎ | 平成23年12月改正 | |
個人の白色申告者に対する更正等に係る理由附記 | ◎ | 平成23年12月改正 | |
故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設 | ◎ | 平成23年6月改正 | |
消費税の不正還付の未遂を処罰する規定の創設 | ◎ | 平成23年6月改正 | |
事前照会に対する文書回答制度の見直し | ◎ | 平成23年3月通達改正 | |
還付加算金の計算期間の見直し | ◎ | 平成23年6月改正 | |
法定調書の光ディスク等による提出義務の創設 | ◎ | 平成23年6月改正 | |
官公署等に対する協力要請規定の整備 | ◎ | 平成23年6月改正 | |
「保険年金」に係る最高裁判決を受けた対応 | ◎ | 平成23年6月改正 |
内容 |
成立したもの◎ 先送りしたもの× |
改正時期等 | |
給与所得控除の上限設定(1,500万円超一律245万円) | ◎ | 平成24年度改正 ※1 |
|
特定支出控除の見直し | ◎ | 平成24年度改正 ※1 | |
短期勤務(5年以下)の役員退職金の2分の1課税の見直し | ◎ | 平成24年度改正 ※1 | |
特に高額な役員給与等に係る給与所得控除の見直し |
× | 検討課題 | |
成年扶養控除の対象の見直し等 | × | 検討課題 |
● 資産税
内容 |
成立したもの◎ 先送りしたもの× |
改正時期等 | |
相続税の基礎控除の引き下げ | × | 税制抜本改革 | |
死亡保険金に係る非課税限度額の引き下げ | × | 税制抜本改革 | |
未成年者控除及び障害者控除の引き上げ | × | 税制抜本改革 | |
一般の贈与に係る贈与税の税率構造の見直し | × | 税制抜本改革 | |
直系尊属からの贈与に係る贈与税の税率構造の見直し | × | 税制抜本改革 | |
相続時精算課税制度の適用要件の見直し | × | 税制抜本改革 | |
連帯納付義務を履行する場合の延滞税の見直し | ◎ | 平成23年6月改正 |
● 消費課税
内容 |
成立したもの◎ 先送りしたもの× |
改正時期等 | |
地球温暖化対策のための税 | ◎ | 平成24年度改正 ※1 |
※1 平成24年度改正・・・平成24年度税制改正法は3月30日に国会で成立、4月1日に施行されました。
詳しい内容・適用期間等々は、専門家にお尋ね頂くか、国税庁や財務省のホームページをご参照下さい。
国税庁:http://www.nta.go.jp/ 財務省:http://www.mof.go.jp/
(このコンテンツは、平成24年4月1日現在の法令・通達等により作成しています。)
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