M-aid web版 Vol.10
印紙税について
契約書や領収書などを作成するとき、うっかりと収入印紙を貼り忘れてしまった
という経験のある方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
印紙税は国に納める大切な税金の一つです。
国税庁のホームページによりますと、平成21年度では
国の税収約46.1兆円のうち、印紙税の収入は約1兆円(2.1%)にもなるそうです。
ちなみにたばこ税は約0.8兆円、相続税は約1.5兆円、酒税は1.4兆円だそうですので、意外に?印紙税って大きな税収になっているのですね。
もともと印紙税は1624年、八十年戦争の戦費調達のために
オランダの税務職員によって考え出されたそうです。
その後世界に広まり、日本には1873年(明治6年)に導入されました。
皆さんが一番よく見るのは200円の収入印紙でしょうか?
3万円以上100万円以下の売上代金の領収書には
200円の収入印紙を貼り付けなければなりません。(3万円未満は非課税)
このように、印紙税とは契約書や領収書等の文書に課税される税金です。
どのような文書に課税されるかは、国が1号から20号の20種類の文書を定めています。
印紙税の額に関しては、以下に一覧表のリンクを貼っておりますので参照ください。
「印紙税額一覧表」(国税庁よりダウンロード:契約書や領収書と印紙税 参照)
契約書や領収書などの文書に課税されるものですので
タイトルだけ『仮契約書』、『覚書』などになっていたとしても
記載されている文書の内容が課税事項に該当する場合は印紙税がかかることになります。
また一つの契約書の中に2つ以上の課税文書に該当する場合がありますが、
その場合は所属文書を判断するための一定のルールが定められています。
いくらの収入印紙を貼らなければならないかは
税額表を参考に、詳しくは税務署あるいは弊社担当者へご相談ください。
最後にお客様からよく頂く質問を載せておきます。
Q 今年は利益がよく出ているから決算対策で収入印紙を買っておこうかな?
A 残念ながら印紙は文書に貼り付けて消印をした時点で納税が完了します。
つまり棚卸しをして在庫を計上する必要がありますので購入しただけでは経費化しません。
Q 売掛金と買掛金の相殺の領収書を作成するのですが印紙は必要ですか?
A これは売掛債権と買掛債務の消滅を意味するもので、
金銭の受領を証明する文書ではありませんので印紙の貼付する必要はありません。
ただ、但し書きに相殺したことがわかるようにしておかなければなりません。
相殺以外に残った額を金銭で受領した場合はその金額に該当する印紙を貼り付けする必要があります。
Q 消費税の額を税抜きで書いたらどうなるの?例えば105万円って領収書に書いたら
税抜き100万円で判断するのかそれとも105万円で判断するのか?
A 105万円(税込み)で書かれていた場合は105万円で判断しますので印紙代は400円ですね。
しかし、例えば105万円(うち消費税額5万円)と書いていれば
つまり、消費税額を区分して書いている場合には税抜き金額で判断します。
この場合は100万円となり印紙代は200円です。少し節税ができますね。
Q 印紙税を納付しなければどうなるの?
A たとえ印紙税がかかることを知らなかったり、貼り忘れた場合でも、
納付しなかった印紙税額の3倍の過怠税が課税されます。
ただし自主的に収入印紙を貼っていないことを申し出たときは1.1倍の過怠税になります。
忘れずに貼付しましょう。
Q 印紙を貼り間違えてしまったら?
A 金額を間違えてしまったら、その書類一式を税務署に持っていき
所定の手続きをすれば、後日銀行口座へ還付を受けることができます。
(このコンテンツは、平成22年11月1日現在の法令・通達等により作成しています。)